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「食材大国みやぎ」気仙沼さんまの つみれ汁 ─宮城県北部─
2015年01月13日
以前、東京で開催される地方の物産展では、宮城県の物産展は美味しいものが多く人気があると耳にした事があります。
宮城県は、広大な平野部を持ち、ササニシキ、ひとめぼれなどの稲作中心の農業が行われています。
又、気仙沼漁港、石巻漁港、塩釜漁港と、全国屈指の水揚げ量を誇っています。
その他、いちごやなし等の果物、仙台牛タン、山菜など、豊富な食材を多く産出している点から、県は「食材大国みやぎ」を宣伝句にしています。美味しい物が多いので、物産展でも人気なのでしょう。
気仙沼さんま
海岸沿いにある、岩手県と並んだ宮城県気仙沼市は、海産物が有名ですが、震災で大きな被害を受けた場所としてご存じの方がいるかもしれません。
私は仙台市内に住んでいましたが、母と父が気仙沼で育ったので、食文化は気仙沼が元にあるのです。
気仙沼は水産業と観光が中心で、特に、かつお、まぐろ、さんまは、全国有数の水揚げ高を誇っています。
ふかひれの産地としても有名であり、生産一です。海藻も多く捕れますが、わかめはかなり肉厚で歯ごたえもしっかりしています。
震災の翌年、気仙沼で生活している母からさんまが届きました。気仙沼の復興が進んでいるんだな、と元気をもらえました。
今年も9月にさんまが届きました。子供たちも大きくなり、さんま1匹しっかり綺麗に食べる事が出来ます。
さんまは煮たり焼いてもおいしいですが、母がよく作ってくれたのがさんまのつみれ汁です。つみれって骨をとったり面倒・・そんな私の性格を知ってか、母はすり身になったさんまを気仙沼から送ってくれます。簡単で、母と同じ味に仕立てたつみれ汁は本当に体と心が温まる故郷の味。すり身はハンバーグにしてもおいしいのでおすすめです。
是非作ってみてくださいね。
さんまの栄養価
さんまの栄養とは・・・EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれています。
EPAには、血液をサラサラにし、血栓を予防する作用があります。血栓を予防することができれば、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などの生活習慣病を予防することができます。
一方のDHAは、脳に良い栄養素として有名ですよね。DHAは脳細胞に行き渡り、脳内の細い血管にも弾力を与え、酸素や栄養素を全体に送ります。さらに、体内の悪玉コレステロールを減らす作用もあります。
そして、もう一つの注目すべき特徴は良質なタンパク質。サンマに含まれるアミノ酸は、体内に吸収されやすいバランスをしています。他
にも、ビタミンやカルシウム、鉄分なども豊富に含まれています。特に精神を安定させたり、血液の循環をよくしたり、貧血を予防したりするビタミンB2は豊富で、その含有量は他の魚の3倍以上とも言われています。
上記のように、サンマは美味しいだけでなく、栄養分も豊富なんですね。
さんまつみれ汁レシピ
《材料(4人前)》
さんま 3尾
生姜 1片
味噌 20g
片栗粉 大さじ1
卵 1/2個
豆腐 1/2丁
長ねぎ 1本
だし汁 6~8カップ
酒 大さじ2
醤油 大さじ2
塩 少々
《作り方》
① さんまを3枚におろし、細かくなるまでたたく。長ねぎは斜めに切っておく。
② ①をすり鉢ですり、生姜のおろし汁、卵、味噌、片栗粉を加えてよく混ぜ、すり身を作る。
③ 鍋にだし汁を入れて、すり身を一口大に丸めて入れる。
④ すり身に火が通ったら、酒、しょうゆ、塩で味付けし、豆腐、長ねぎを加えてひと煮立ちさせる。
⑤ お椀に盛り付けて出来上がり。じゃがいも・人参・大根を入れて味噌味でもおいしいです。