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歯の健康と歯磨き粉のはなし

2016年05月19日

日本は世界に名だたる長寿国ですが、その反面、健康寿命との差が大きく
健康寿命の延伸も課題のひとつとされています。
ただ長生きするのではなく、できることならば亡くなる直前まで元気に過ごせる
「ピンピンコロリ(PPK)」の生き方が理想的ですね。

その為には、食事・運動・休養を適度に行うことが前提ですが、
食事を美味しく食べるために欠かせないのは「歯の健康・口の健康」が備わって
いてからこそ実現できるものです。
健康のための「食事」ばかりが注目されがちですが
その「食事」を食べる入口となる「歯の健康・口の健康」も忘れてはいけない
健康への必須条件です。

目標は8020(ハチマルニイマル)

いつまでもおいしいものを食べ続けるためには元気な歯が必要。
とうことで1989年(平成元年)より、厚生労働省と日本歯科医師会が推進しているのが
「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」の運動
その名も「8020(ハチマルニイマル)運動」です。
生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わるように…という願いを込めて生まれた
この運動のおかげもあってか、確実に歯の健康は向上しています!

≪8020達成率≫
■昭和62年 7%
■平成5年  10.9%
■平成17年 24.1%
■平成19年 25%突破!!

ところでなぜ20本なのか?と思われた方いませんか。
「20」という数字は自分の歯で食べられるために必要な歯の数で
だいたい20本以上の歯が残っていれば硬い食べ物でもほぼ満足して
噛めることが科学的に明らかになっています。

ちなみに食べるために必要な歯の本数はこちら。
■バナナ・うどん 0~5本
■豚肉・かまぼこ・おせんべい 6~17本
■スルメイカ・フランスパン・たくあん 18~28本

特に硬い食べ物以外は概ね20本あれば食べられることがわかりますね。

歯磨き粉の成分

歯磨き粉の基本的な役割は、歯についた汚れの歯垢や着色汚れを効果的に
落として、口の中を清潔に保ち、口臭予防に効果があります。
歯磨き粉を付けないと、歯垢の取り残しが増えたり、歯の黄ばみの原因になってしまいます。

≪歯垢除去率の違い≫
・歯磨き粉あり…約80%
・歯磨き粉なし…約55%
と除去率がかなりアップすることがわかります。
歯磨き粉をつけたブラッシングの方が
歯垢の除去には明らかに効果があると言えますね。

≪歯磨き粉の役割≫
1 歯垢を除去する
2 歯石を防ぐ
3 口臭を防ぐ
4 歯を白くする

歯磨き粉は毎日人の口の中で使われるものなので、安全性については
十分に確認された成分と量で作られています。
基本的な歯磨き粉の効果効能はとしては、上記の役割が上げられますが
薬用成分配合の歯磨き粉では、プラス虫歯予防・歯周炎・歯肉炎の予防
タバコのヤニ除去などの効果効能が期待できるようです。

含有される成分によって期待される効能が異なりますので
食品同様、歯磨き粉購入の際はぜひ裏の表示(成分)を確認してみてください。
どの成分がどんな役割をしているのかがわかるだけでより安心して
使うことができます。

●グリセリン、ソルビトール…適度な湿り気を与える湿潤剤
●無水ケイ素、炭酸カルシウム…歯の表面を傷つけずに汚れを落とす清掃剤
●ラウリル硫酸ナトリウム…口の中に成分を拡散させ、汚れの除去を助ける発泡剤
●カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム…
 成分の分離を防ぎ、適度な粘性を与える粘結剤
●フッ化ナトリウム、イソプロピルメチルフェノール、トラネキサム酸…
 薬用成分の個別機能により、疾患を予防するなどの有効性を発揮する薬用成分


歯の健康が食事を食べるための前提条件になりますので
日々の歯磨きを今一度見直して、8020実現に向けて正しい歯磨きを身につけましょう。